シリコンバッグ豊胸

シリコンバッグ豊胸
治療概要
シリコンバッグ豊胸は、バストの形を整えたり、小さいバストを大きくしたい方のために行われる施術です。バストは加齢や出産に伴い形が変化し、垂れやボリュームの減少が気になることがありますが、シリコンバッグによる豊胸手術で、よりバランスの取れたバストラインを目指すことができます。
過去には、シリコンバッグに関する安全性の懸念が指摘されたこともありましたが、現在では健康への影響がないことが確認され、製造技術の向上により、安全性と耐久性が高まっています。 これにより、シリコンバッグ豊胸は再び選択肢の一つとして注目されています。なお、シリコンバッグを挿入する豊胸手術は「人工乳腺法」とも呼ばれることがあります。
シリコンバッグには、シリコンジェルタイプと生理食塩水タイプの2種類があります。生理食塩水バッグは、中身が生理食塩水で満たされており、安全性の面では問題ありませんが、感触が不自然で手触りが硬くなりやすいというデメリットがあります。そのため、現在ではほとんど使用されていません。一方、シリコンジェルタイプは、胸の構造や形に合わせやすく、より自然な仕上がりが期待できることから、豊胸手術で一般的に使用されています。当院でも、自然な触り心地とバストラインを目指し、シリコンジェルタイプを採用しています。
使用するシリコンバッグ
当院では、Motiva(モティバ)のErgonomix®2 を使用しています。このシリコンバッグは、長年にわたり多数のシリコンバッグを開発してきたメンター社をはじめ、アラガン社、ユーロシリコン社などの技術者が集まり設立した「Establishment Labs社」によって開発されました。

・自然な柔らかさと形状の変化を実現
Motiva(モティバ)のErgonomix®2は、NuSil社製の医療用コヒーシブシリコンを使用し、耐久性や強度を保ちながらも自然な柔らかさを実現しています。さらに、中身のシリコンジェルが100%充填されているため、ジェルの偏りがなく、重力に応じて形が自然に変化します。
そのため、立っている時はバストの下部にボリュームが出て、横になると自然に広がる構造になっており、どんな姿勢でもナチュラルなバストラインを維持できます。

・リップリング・カプセル拘縮が起きにくい
シリコンバッグを挿入すると、術後3週間ほどでバッグの周囲に被膜と呼ばれる膜が形成されます。これはバッグの移動を防ぎ、体内の異物反応を抑える役割があります。しかし、時間の経過とともに、この被膜が被膜拘縮を起こし、硬くなったり縮んだりすることで、バッグが押し潰され、形が変形し、見た目に影響を及ぼすことがあります。

Motiva(モティバ)Ergonomix®2では、「シルクサーフェス」という特殊な表面加工を採用することで、被膜拘縮の発生率を1%未満に抑えています。 また、この表面加工は、従来のテクスチャードタイプ(ザラザラとした表面)に比べ、リンパ腫の発生リスクが低いとされており、安全性の向上にもつながっています。
・高い耐久性と安全性を実現
Motiva(モティバ)のErgonomix®2は、6層構造を採用し、従来の1~4層のシリコンバッグよりも耐久性が向上しています。これにより、バストに衝撃が加わっても破損しにくく、長期的に安全な使用が可能です。また、外側から4層目には特許取得済みの「Barrier Layer(バリアー層)」を備え、シリコンジェルの浸透を防ぐ設計になっています。さらに、シリコンバッグ本体と底部の密着度を高めた「トゥルーモノブロック」技術を採用し、つなぎ目のない構造にすることで、衝撃に対する強度を向上させることで、万が一破損しても、中身のジェルが流出しにくい仕組みになっています。このバッグには「ブルーシール」と呼ばれる青色の層があり、着色されていることでバッグに不具合があるかどうかを目視で確認できるようになっています。

切開部位の違いについて
シリコンバッグ豊胸の手術では、「腋窩切開」と「乳房下切開」の2つの方法を採用しています。
- 1) 腋窩切開 :脇のシワに沿って2.5~4cm程度切開し、シリコンバッグを挿入する方法です。バストに直接傷が残らないため、傷跡が目立ちにくく、脇のシワに隠れることで周囲に気づかれにくいのが特徴です。そのため、豊胸手術をしたことを知られたくない方に適した方法とされています。
- 2) 乳房下切開 :乳房の下側(乳房下溝線)を切開し、シリコンバッグを挿入する方法です。この方法は、手術が比較的容易であり、安定した仕上がりが期待できるというメリットがあります。特に、300cc以上のシリコンバッグを希望する方に適しており、乳房下の皮膚の折れ目に沿って切開するため、傷跡が目立ちにくいとされています。ただし、仰向けに寝た際やバストが小さい方の場合、傷跡が目立つ可能性があるため、注意が必要です。また、腋窩切開に比べて術後の脇の痛みが少ないという特徴もあります。

挿入位置の違いについて
シリコンバッグの挿入位置には、①乳腺下、②大胸筋下、③大胸筋筋膜下 の3つの方法があります。当院では、主に ①乳腺下 と ②大胸筋下 の方法を採用しており、診察の上で最適な方法をご提案いたします。
- 1)乳腺下:乳腺の下にシリコンバッグを挿入する方法で、皮膚の伸展性が少ない方や、皮下脂肪や乳腺組織が豊富な方に適しています。
- 2)大胸筋下:大胸筋の下にシリコンバッグを挿入する方法で、皮膚が柔らかい方や、皮下脂肪や乳腺組織が少ない方に適しています。

乳腺下の適応ではない方でも、「ハイブリッド法」を用いることで、乳腺下にシリコンバッグを挿入し、同時に脂肪注入を行うことで、バッグの輪郭が目立ちにくく、より自然な仕上がりを目指すことができます。
また、大胸筋下の方法では、「Dual Plane法」を用いることで、大胸筋の一部を切離し、バッグの位置を安定させることが可能です。 これにより、バッグが動くのを防ぎ、より大きなサイズの挿入にも対応できます。
当院では、乳房再建の経験が豊富な形成外科医が在籍しており、患者様のさまざまなご要望に対応できる体制を整えています。
挿入時の工夫:ケラーファンネルの使用
シリコンバッグの挿入には、ケラーファンネル という専用の器具を使用します。これは、シリコンバッグを漏斗状の器具から絞り出すように挿入する仕組みになっており、施術時の切開部分を最小限に抑えることが可能です。
また、バッグに直接触れずに挿入できるため、細菌の付着リスクを軽減し、安全性を高める効果もあります。さらに、バッグへ余計な負荷をかけずに挿入できるため、破損のリスクを最小限に抑えられるというメリットもあります。


当院では、女性医師や女性スタッフが初めから最後まで担当いたします。
院長は、これまで多数の症例を手がけており、自身も脂肪吸引を受けた経験があるため、患者様の気持ちに寄り添った施術を大切にしています。手触りや仕上がりの自然さを追求し、細部までこだわった丁寧な施術を心がけています。
<他治療との比較>

*当院ではヒアルロン酸豊胸は行っておりません
【Motiva Ergonomix2】
【未承認医療機器であることについて】
Motiva Ergonomix2は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認の医療機器です。
【入手経路等】
本製品は、医師の管理のもと、正規の代理店経由で輸入し、治療に用いています。
※詳細は、厚生労働省の個人輸入に関する案内をご確認ください。
:個人輸入に関する厚生労働省の案内
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/
【国内の承認医療機器の有無】
本製品と同等の性能を有する国内承認医療機器はありません。
【諸外国における安全性等に係る情報】
モティバは、米国のEstablishment L ABS社がコスタリカで製造する豊胸インプラントです。
2020年12月 57カ国がCEマーク取得しています。
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、マケドニア、トルコ、アイスランド、レバノン、モルドバ、モロッコ、ノルウェイ、南アフリカ、サウジアラビア、セルビア、スイス、イギリス、アラブ首長国連邦、タイ、シンガポール、台湾、カザフスタン、アルゼンチン、コロンビア、コスタリカ、ペルー、エクアドル、アングィラ、ボリビア、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、パナマ、パラグアイ、チリ
〈禁忌〉
・活動性の感染のある患者
・悪性新生物及び前癌状態があり、それに対して十分な処置を受けていない患者
・局所再発の癌及びその疑いのある患者
・妊娠中又は授乳中の女性
〈副作用〉
硬化、不快感、発赤、膨張、疼痛、発熱、滲出液など
インプラント周囲の腫れ、左右非対称、ゆがみ、触知可能、位置異常、乳房や腋窩のしこり、胸の硬化など
【医薬品副作用被害救済制度について】
万が一、モティバ使用後に重篤な副作用が発生した場合、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
リスク・副作用
- 痛み、腫れ、内出血、感染症、胸の形が不自然、シリコンバッグが分かる、乳頭の知覚異常、傷跡、カプセル拘縮、シリコンバッグ破損、乳癌検査が受けにくいなど
まれに、リンパ腫(血液の癌)の発生が報告されています。
※詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。
治療の流れ
- STEP01診察・カウンセリング
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手術を担当する医師がカウンセリングを行います。希望をお伺いし、適した治療をご提案します。
ご不明点やご質問などがあれば、お気軽にご相談ください。 - STEP02撮影
- 術後の変化を確認するために、施術前の写真を撮影します。
- STEP03デザイン
-
ご希望のデザインを、医師と確認します。
ご納得していただけましたら手術の準備を開始します。 - STEP04麻酔
- 静脈麻酔をおこないます。痛みに弱い方や不安が強い方には、笑気麻酔や硬膜外麻酔、全身麻酔もご用意しております。※別途費用がかかります。
- STEP05手術
- 手術中は麻酔が効いているため、痛みを強く感じることはありません。
- STEP06抜糸
- 約1週間前後に抜糸します。
アフターケア
抜糸後の経過診察などは必須ではありません。経過について不安なことがある場合は、医師による診察が可能です。お気軽にお問い合わせください。
治療の期間・回数
2〜3回(施術1回、経過観察1回、抜糸1回)
ドレーンを挿入した場合は翌日診察になります。
約1週間前後に行う抜糸以降、通院は必要ありません。
※術後気になること、ご不安なこと等ありましたらいつでも医師の診察が可能です。
お気軽にお問合せください
よくある質問
- 2〜3カップほど胸を大きくしたいけれど、シリコンバッグなら可能ですか?
- シリコンバッグ豊胸は、2~3カップ程度のサイズアップを希望される方に適した施術です。カウンセリングにてご希望のサイズを伺い、バランスを考慮しながら最適なシリコンバッグを選定いたします。
- サイズによる大きさ変化はどれくらいでしょうか?
- 一概には言えませんが、一般的に100ccのシリコンバッグで約1カップ程度のサイズアップが目安とされています。
- レントゲンに写りますか?
- はい。シリコンバッグを挿入した場合、レントゲンや超音波検査で確認することができます。一方、脂肪注入による豊胸は、通常の検査では判別されにくいとされています。
- 豊胸がばれることはありますか?
- やせ型で皮下脂肪や乳腺が薄い方は、不自然な固さや形が出やすく、豊胸が分かってしまう可能性があります。そのような場合は、脂肪注入を併用する「ハイブリッド豊胸」を行うことで、より自然な仕上がりにすることが可能です。
詳しくはこちら - 授乳に問題はないですか?
- シリコンバッグ豊胸を行っても授乳は可能です。ただし、授乳により乳房の形状が変化する可能性が高いため、近いうちに妊娠を予定している方には、授乳後の手術をおすすめしています。
- ダウンタイムはどのような感じでしょうか?
- 術後の腫れや内出血、痛みは 約2〜3週間続くことが多いです。内出血は胸だけでなく、腹部などにも広がることがあります。また、腫れている間は、希望のサイズよりも大きく感じることがあります。術後は、バストの知覚神経が引き延ばされる影響で、皮膚や乳輪、乳頭の感覚が一時的に鈍くなることがあります。胸の硬さやつっぱり感は、数ヶ月続く場合がありますが、時間とともに落ち着いていきます。
料金
総額 | 1,253,500〜1,671,500円 |
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※当院のコンデンスリッチ豊胸には局所麻酔代が施術代に含まれています。
豊胸_コンデンスリッチ脂肪注入 | 1,100,000円 | |
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豊胸_シリコンバッグ埋入 腋窩法/アンダー法 | 880,000円 | |
豊胸_ハイブリッド(シリコンバッグ+コンデンスリッチ脂肪注入) | 1,485,000円 | |
笑気麻酔 | 33,000円 | |
静脈麻酔 | 66,000円〜198,000円 | |
硬膜外麻酔 | 66,000円 | |
全身麻酔 | 242,000円 | |
外科診察料 | 5,500円 |
※外科診察料は、カウンセリング後6ヶ月以内に手術を受けた場合、施術代金より診察料5,500円を差し引きます。
当院の施術はすべて保険適応外の自由診療です。
症例


施術 Dr奥村智子
40代 腋窩法 Motiva(モティバ)のergonomix® 230 cc 術後1ヶ月

施術 Dr奥村智子
30代 腋窩法 Motiva(モティバ)のergonomix® 250 cc 乳頭縮小術併用 術後1ヶ月